私たちが常に使っている日本語。ワタクシなんぞはその言語センスを駆使して、仕事に繋げているわけですが、考えてみれば、独特の言い回しがあって、ネトフリなんかで日本映画の翻訳を字幕で走らせると、「あー、ここはそれじゃ無いんだよな」という件がままあります。つまり、特殊だし、お互いの空気感でどんどんスラングが生まれてくるところも面白い。

    本書は、現代日本語の中で曖昧に使われながらも社会の空気や価値観を反映している言葉を、ドイツ出身の著者が独自の視点で読み解いていく言語エッセイ集で、世界の閉じた巨大ムラである私たちの、言語・文化のズレも浮き彫りになってくるわけです。

「忖度」「萌える」「自己責任論」「外タレ」といった単語を題材に、辞書的な定義を超えて、実際の使われ方や文化的背景、そこに潜む無意識の前提を掘り起こし、言葉と社会の関係を鮮やかに照射。日本語が持つ曖昧さや柔軟さが、どのように時代の空気を映し出すのかを探る試みであり、日本語使いの我々も目からウロコですね。。

    外来語が日常化できうる日本では、案外外来語をその感覚とともに輸入しますが、そんな自分の中のグローバル外来語を再発見してみても面白いかも。