女性だけのミュージカル劇団、という世界でもワンアンドオンリーの宝塚歌劇団は、日本独特の文化風土の上に活動を続け、女性の社会進出などマーケットの方は変化しつつも、未だに人気エンタメとして存在し続けています。それどころか、「押シ活」というような、現在、深く広く拡大しているスターと観客の密接な関係のひな形は、宝塚に原型があり、タカラジェンヌというファン層はまさにその先駆け。
実はワタクシ湯山本人は、アンチ宝塚な人。それは初体験の大浦みずきさん初舞台を親に連れられて、観に行った小学校3年生時に遡るのですが、そのクールな視線でもって、宝塚歌劇団を考察してみたい、と以前から考えていました。
そこにぴったりのゲストが、youtube番組〈X dig talk〉の「ベルサイユのばら」を語る会でご一緒した、『歌劇とレビューで読み解く 美しき宝塚の世界』著者の石坂安希さん。番組の中で触れた、宝塚のジャーナリズム性など、意外な視点が新鮮で、是非、彼女と語ってみたいと思ったのです。
「なぜ私たちは宝塚に惹かれ、また、アンチするのか?」についての刺激的な対論です。
◼︎ゲストプロフィール
石坂安希(いしざかあき)
東京生まれ。早稲田大学演劇博物館招聘研究員。2017年、早稲田大学大学院演劇映像学コース日本演劇学にて博士号(文学)を取得。論文のテーマは、レビューを中心とした戦前の宝塚歌劇の演出様式について。演劇学・舞踊学から宝塚を考察した博士論文としては世界初となる。宝塚、ダンスの講座を大学、百貨店、サロンなどで行うほか、NHKのドキュメンタリー番組の考証協力、鹿鳴館・帝国劇場の歴史展示を手掛けるなど多方面で活躍。