この動乱の世相下にて、世界の心あるクリエイターたちは、「人間、今後大丈夫なのか?」という動機に突き動かされた作品を世に出しています。村田沙耶香はその代表格。前回の『地球星人』でのテーマを、科学技術によって発達した社会システムと人間の欲望と願望にタイトな照準を当て、主人公の年代記でもって綴られる本作は、まさに、小説、そして小説家でしか描き得ない強力かつ破壊的な表現となって結実しています。

    社会の分断、人種差別、ベット愛、男と女、性欲と生殖、コミュニティー、都市などなど、どれもがイージーに作品ネタになるような、「私たちが皮膚間で感じている諸問題」を、村田沙耶香の作家性はそれらの真相を悪魔的なディテール描写で明らかにしていきます。それゆえ導かれるラストの衝撃は、もしかしたらユートピアなのかも、という同感が生まれちゃうかも!

 参考コンテンツは、スティーブン。スピルバーグ監督『AI』、沼正三『家畜人ヤプー』、カズオイシグロ『私を離さないで』。

    上下巻のボリュームに恐れる事なかれ。登場人物が限られているので、久々に「スキマ時間は全部、世界99」時な読み方で読みこなせると思います。電子書籍では合本も出ている模様。

———私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。
性欲を。出産を。育児を。介護を。人生の時間を食いつぶす、あらゆる雑務を。————

この卓抜な、帯文引用に導かれながら、公園のベンチやカフェで耽溺してみてください。

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