2026年5月25日(月)、湯山玲子の悪い子のためのブッククラブによる読書会イベントがオンラインにて開催されました。
今回ピックアップした課題図書は、在野の研究者である塩崎省吾氏の渾身の一冊、『カップ焼きそばの謎』(ハヤカワ新書)です。
誰もが一度は口にしたことがある、あの「カップ焼きそば」。
衣食住のなかでも人間の根幹に関わる「食の欲望」を、ネット時代のオープンソースと圧倒的な執念(ジャーナリズム的アプローチ)で掘り下げた本作を前に、メンバー一同、いつも以上に活発な議論が飛び交う夜となりました。
湯山玲子が独自の視点で斬り込んだ、驚きに満ちた読書会の模様をレポートします!
💡 湯山玲子が斬る!三強(ペヤング・U.F.O.・一平ちゃん)の思想と謎
「誰もが知っているけれど、誰もここまで知見を深められなかった領域に挑んだ、素晴らしい傑作!」と、冒頭から本作を大絶賛する湯山さん。
特に、日本のカップ焼きそば市場を牽引してきたブランドたちの「思想の比較論」に、湯山さんの考察は熱を帯びます。
1. ペヤング ── 「うますぎたら飽きられる」という逆説
ペヤングの哲学は「うますぎたらダメだ。いつでも飽きられない味にする」というもの。引き算の美学が生んだ、あの普遍的なソース味の凄みに一同納得。
2. 日清焼そばU.F.O. ── 常に時流のトップランナーである刺激
ペヤングとは対極に、常に刺激的であり続け、時流に合わせて毎回新しい球を投げ続ける日清。オカルトブームとピンク・レディーを掛け合わせた鮮烈なマーケティングなど、常に「時代のど真ん中」を射抜くエネルギーが分析されました。
3. 明星一平ちゃん ── チャルメラのバトンを受け継ぐ「味のセンス」
世間では「マヨネーズのインパクト」と語られがちな一平ちゃんですが、湯山さんは独自のオンタイムな記憶から「1966年の大ヒット作『チャルメラ』がラーメン市場にもたらした、あの下味のバトン(味の決まり方)が、一平ちゃんにも引き継がれているのではないか」と歴史的な味覚の連続性を指摘。
「この本は、戦国時代の歴史小説を読んでいるかのようなスリリングな展開がある。企業小説やフィクションの原作にしても絶対に面白い!」(湯山さん)
🚀 ドラマに満ちた開発秘話:「アメリカ仕込みのマーケティング」とエースコックの「1.5倍返し」
さらに議論は、食品メーカーのカリスマ創業者や、その次世代が繰り広げた「技術革新と販売戦略の歴史」へと進みます。
なかでも盛り上がったのが、日清食品の創業者・安藤百福の次男である安藤宏基氏のエピソード。
カップライスが当時「高すぎる」「家で食べられるものをなぜ外で買うのか」と大コケしかけた不穏な空気のなか、アメリカでマーケティングを学んできた彼が、理想論ではなく徹底的な草の根リサーチ(数字とニーズ)を基に、わずか2ヶ月で『U.F.O.』を開発。
ハイインパクトな広告展開で市場を席巻したドラマは、まさにビジネスノンフィクションの醍醐味です。
また、マーケティングの常識を覆したエースコックの『スーパーカップ大盛りいか焼そば』の功績にも言及。
「これで十分」という既存の量を越えて、「食べ盛りの男子高校生」にターゲットを1点突破して量を倍増させた戦略によって、カップ焼きそばは単なる間食メニューから「立派な食事へと昇格した」という深い現場論に、湯山さんも深く唸らされました。
🎨 パッケージデザインの「奇抜な美意識」を実物検証
最後は、湯山さんが実際にコンビニ等で買い込んできた三強のパッケージを画面に映しながらのデザイン批評へ。
• ペヤング: 頑なに味もデザインも変えない。真っ白でシズル感のない、まるで「弁当箱か筆箱」のようなストイックさの異様さ。
• U.F.O.: 雑多に見えて計算し尽くされている。湯切り口の虎柄や二次元コードの配置など、若者のエネルギーにアピールする「ある種ホラーで、奇抜な美意識のカッコよさ」
• 一平ちゃん: 上部を黒であしらい、「夜店の焼きそば」の情緒を見事に落とし込んだ、一番シックで大人が手に取りやすい秀逸なデザイン。
「これから夜食に食べて太っちゃうわね(笑)」と言いつつ、食品メーカーの開発者たちが全身全霊で仕掛けるクリエイティブの凄みに改めて感動し、大盛況のなか読書会は幕を閉じました。
当クラブでは、今後も文学、社会学、ポップカルチャーまで、あらゆるジャンルの「大衆の欲望」を解剖する刺激的なイベントを企画してまいります。 今回ご参加いただけなかったみなさまも、ぜひ課題図書を片手に、次回のインテリジェンス溢れる読書会にご期待ください!
湯山玲子カルチャーサロンでは湯山さんとトークや観劇を楽しむオフラインイベントを定期的に開催しております。
ご入会もお待ちしております!
https://yuyamareikocultureclub.com/about


2026/05/26 10:02
【開催報告】🛸大衆の欲望と企業の執念が激突する!『カップ焼きそばの謎』を読み解く、読書会レポート



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